【韓国】急成長を見せる「化粧品ブランドショップ」市場

 韓国では、化粧品ブランドショップの成長が止まらない。ニッチなアイテムとして2~3年のブームで終わるという一部の予想に反し、流通を根底から変え、市場の中心にまで成長した。最大手のザ・フェイスショップとミシャが進めた売場拡張と広告競争により、低価売場という消費者の認識まで変えた。初期は 3~4のブランンドショップのみが隙間市場に存在するという状態であったが、現在は20ブランドを上回る企業が市場に参入。韓国国内の主要な商業地は化粧品ブランドショップで埋め尽くされている状況だ。

 このような急成長の背景には、合理的な価格、統一されたインテリア、OEM生産等の様々な要素が合わさったことが言える。短期間で成長したため、化粧品の消費パターンまでも変化させた。

 ブランドショップ間の競争は、明洞(ミョンドン)商圏を中心として全国に広がり、社運をかけた全面戦争の様相を見せている。2010年も化粧品ブランンドショップによる競争は、外側と内側美容の両方で激しさを増した。

 ザ・フェイスショップ等の単独ブランドショップ、また、アリタウムやビューティフレックスのようなマルチブランドショップの国内売場数は、5,580か所(2010年10月)に上り、「ブランドショップ6000号店時代」は目の前に迫っている。2009年比で約700か所増えたことになり、ブランドショップの市場掌握力がますます拡大していることが分かる。

 ブランドショップ企業がロードショップ、マート等の既存の流通網だけではなく、地下鉄の駅、免税店、ショッピングセンターといった新規チャネルへの出展戦略を積極的に広げたことがブランドショップの量的拡大につながった。このような売場数の増加は、ブランドショップ市場の売上拡大につながり、その結果、ザ・フェイスショップ、ミシャ、スキンフード等の中低価単独ブランドショップの売上は1兆ウォンに上った。アリタウム、ビューティフレックス、 ビューティークレジットといったマルチブランドショップの売上も3000億ウォンを突破することが予測され、国内ブランドショップ市場規模は最大で1兆4000億ウォンに上る見込みである。特にアモーレパシフィックとLG生活健康が主導するマルチブランドショップは、化粧品専門店市場の一部分を代替し、短期間で全国約2300か所の独自流通網を構築している。

 ブランドショップは量的な拡大のみならず、質の向上にも積極的に取り組んだ。ザ・フェイスショップ、ミシャ、トニーモリは売場拡大戦略のほか、製品及び売場の高級化を行なうことでユニット売上の拡大に焦点を合わせてきた。その結果、2010年の予想売上は、ザ・フェイスショップが2580億ウォン、ミシャは1500億ウォン、トミーモリは昨年比2倍の1000億ウォンに上る見込み。今後も、ブランドショップ市場の成長潜在力は高いと予想されている。

 また、レッドオーシャンの隙間を狙う後発も続々と登場し、市場で注目を集めている。2010年7月、ハングック化粧品が発表した「ザ・セム」、今年始めにエンプラニが発表した「ホリカホリカ」は既存ブランドショップと差別化したコンセプトを打ち出すことで市場の攻略を図った。その中でも、ザ・セムはスタートから3か月で44店舗をオープンし、市場に旋風を巻き起こした。さらに、ナドリ、ボブのような中堅企業、トゥーフォースクール、リオエリー、アリエル、ハンセングといった専門企業もブランドショップを出しており、多くの化粧品メーカーがブランドショップに注目している。

参考URL: 週刊コスメティック 2010.10.22
http://www.geniepark.co.kr/design/weeklycoz/weekly_read.asp?code=f&pcode=0405&mcode=0404&menuseqnum=23&idx=23538