【韓国】2012年はスマートフォンで医薬品情報の確認が可能となる

 3月からは、スマートフォンで医薬品安全性情報(効能効果、用法用量、使用上の注意事項など)を時間、場所の制約なしにいつでも確認できるようになる。食品医薬品安全庁(KFDA)は、2012年、医薬品分野の主な業務計画を発表し、韓国国民が直接、”オンライン医学図書館”にアクセスし、医薬品安全性情報を確認できるようにするなど、医薬品情報に関する韓国の一般国民のアクセシビリティの強化を重点推進すると明らかにした。今年、医薬品安全管理政策の推進方向は、韓国の国家薬物監視システムの構築、許可審査システムのグローバル化の危害中心の品質管理システムの強化などである。

<韓国国家薬物監視システムの構築>
 韓国国内の医薬品の副作用の報告資料を体系的に分析検討している”韓国医薬品安全管理院”が、今年新設され、医薬品の安全性の問題を先制的かつ主導的に管理するための足場が用意された。- 韓国の医薬品安全管理院の主な機能は、薬事故など、医薬品の副作用の因果関係を調査究明、副作用報告サイト開設•運営、医薬品安全性情報の収集分析、評価および提供、医薬品などのDUR情報の生産、加工、提供など。
特に、現在、先進国に比べ10%水準にとどまっている”医薬品適正使用情報(DUR)”を本格的に開発提供し、医薬品の処方、調剤時の不適切な薬物の使用による弱化事故を事前に予防することができると予想される。
※適正使用情報の例

併用禁忌:同時に処方あるいは調剤してはならない薬の組み合わせ(2011年基準で612成分)
年齢禁忌:一部の年齢(小児等)での深刻な副作用を誘発したり、安全性が確保されていない医薬品(127成分)
妊婦禁忌:胎児に重篤な副作用(胎児の奇形や胎児毒性)を誘発したり、誘発する可能性が高い医薬品(314成分)
– また、今年新設された”韓国の医療紛争調停仲裁院”の医療事故被害救済事業と連携して薬事故発生時は、医薬品との因果関係を調査究明の業務を遂行することで、医薬品副作用被害低減化と韓国国民医療費の削減ができると期待される。

<許可審査システムのグローバル化>
 今年の上半期中にPIC / Sの登録申請により韓国の医薬品の製造及び品質管理基準(GMP)運用レベルを世界的に認められるようにして、これを基盤に、国家間のMRAの推進を加速し、韓国国内製薬企業の世界市場への進出を容易ににする計画である。
※PIC / S(The Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co – operation Scheme):品質が保証された医薬品を円滑に供給し、医薬品の実態調査の相互協力、情報交換をすることを目的として設立された国際機関
国際競争、新製品の開発をサポートするため、新薬開発の全過程での事前検討制を本格的に施行し、治療剤や診断薬を同時開発できるように、診断治療法の同時開発、医薬品(Companion Diagnostic)開発ガイドライン、疾患、患者群別、薬物別開発指針を作成して提供する予定。また、今年は、APECが推進されている規制のコンバージェンスプロジェクトのうち、市販後の医薬品の監視をKFDAが主導してロードマップを作成し、韓中日の医薬品分野の局長級の会議で 韓中日の民族的な要因の研究を拡大し、東アジアの新薬開発促進策を協議していく計画である。

<危害中心の品質管理システムの強化>
 韓国国内のIT技術を医薬品の製造技術と融合している製薬技術の自動化、効率化支援事業も拡大し、医薬品のGMP基準を先導していく計画だ。
– 国際的GMP基準に沿った医薬品 – IT技術の融合を推進し、7社に対して製造ラインのIT融合プログラムを提供しており、今年は追加で8社まで拡大普及する計画だ。
※製造ラインのIT融合所要費用:システム開発、ハードウェアの構築、コンピュータバリデーション等のために約3億-10億ウォン相当のコストがかかる。
リスクの発生要因の早期検出と安全監視網の効率を最大化できるように、生産プロセスの変更管理の実施などの危害要素中心の品質管理体制を強化していく予定である。
– 特に、これまで医薬品GMP製造所の一部の工程など、自律変更の管理の場合、年1回KFDAに提出するよう義務化を推進する。
– また、製造所ごとに、製品回収の履歴、GMP違反履歴、品質不適合履歴などを総合的に評価し、危害発生のおそれのある上位企業を中心に高精度の薬事監視を実施する。

 KFDAは今年一年、韓国の一般国民の安全な医薬品使用の環境づくりと、製薬産業の競争力向上のための様々な政策の推進を基にして、”韓国国民が信頼できる、世界一流の医薬品の安全管理機関”に背のびするために最善の努力を尽くすと説明した。