【韓国】KFDA、幹細胞培養液の化粧品原料指定を準備

 7日、食品医薬品安全庁(KFDA)は、幹細胞培養液を含む化粧品の製造過程における安全性確保に関する「化粧品原料指定に関する規定」の改正計画を発表した。

 KFDAは、人の幹細胞を化粧品原料で使用するために、製造過程での汚染防止を目的とする「製造施設と培養液の製造」に関する項目を追加。また、優秀医薬品題製造基準(GMP)の無菌検査を実施できる水準の清浄度(1万クラス以上)を維持すると同時に、細胞・組職の採取年月日、検査結果、識別番号などの記録と保存も義務付けた。

 化粧品原料で使われる幹細胞の安全性を確保するために培養液の安全性評価資料の作成と保管の項目を設け、下記試料の作成と保管を義務化した。
 ・毒性試験資料
 ・肌と眼点膜刺激試験資料
 ・遺伝毒性試験資料
 ・肌の異常反応を評価する人体貼付試験資料

 また、培養液の品質を一定に保つため製造番号ごとに無菌試験、ウイルス感染可否、純度などに対する検査を実施する。特に、幹細胞供与者の選別基準として、B型肝炎、エイズ、C型肝炎をはじめとする5種のウイルスに感染していないという規定を設けた。

 KFDAは、「化粧品制度・技術専門家協議体」等より該当基準案の妥当性および安全性評価試験項目の適正への諮問を受け、今月末に改正案を行政予告する計画である。

 2009年3月、KFDAはウイルス感染を憂慮して幹細胞培養液の化粧品配合を禁止する内容の改正案を行政予告しているが、化粧品産業の発展のため、全面規制ではなく安全基準を基に原料使用を許容していく方向に転換した。その一方で、整形外科で脂肪吸引手術を受けた患者から得られた幹細胞で作った培養液は、安全管理されないまま化粧品原料として使用されているのが現状。KFDA関係者によると、今月中に行政予告をした後、2010年9月に告示の施行を目指すという。

参考URL:HEALTH KOREA 2010.6.7
http://www.hkn24.com/news/articleView.html?idxno=49371