【韓国】化粧品産業の国際競争力を高める

 2010年、韓国に化粧品産業総合支援センターが設立される。中小企業などの化粧品輸出を支援することが目的。国別の輸出情報や許認可手続きなどの情報が提供される。

 韓国製化粧品の国際認知度を高めるため、高官級の国際会談やG20首脳会談の際に同国の化粧製品を各国出席者に贈与することも政策として決定した。保健福祉部では、このような内容を含む総合的な国内化粧品産業支援政策を、国会で審議中の化粧品法全部改正案とともに推進。高付加価値を創出する輸出戦略産業として化粧品産業を育成し、2013年には世界屈指の化粧品大国となることを目指す。

 今回の政策において、同国政府は化粧品産業が雇用創出にもつながる輸出戦略産業として位置付け、総合的なサポートをする方針であり、予算支援規模をはじめとする今後の政策の方向性が注目されている。

 福祉部の政策支援方案は、-制度先進化 -新素材と新技術のへの投資と研究開発 -国際競争力の強化を3大軸とし、各段階と政策課題ごとに推進される。まず、企業が先進国ブランドと競争できるよう制度を先進化し、輸出支援インフラを構築することでグローバル競争力の向上を図る。政府は、化粧品の品質管理基準をグローバル基準のISO-GMP水準に格上げ。5年後のGMP 義務化に向けて施設改善の資金融資を拡大し、GMP適格企業には品質検査免除といった政策的インセンティブも提供する。また、韓国ブランドの価値、および消費者安全性を向上させるため、化粧品包装制度を合理的に改善する方案も準備する見通し。

 年内に設立予定の「化粧品産業総合支援センター」では、特に化粧品輸出対象国の輸入規制に効率的に対処するために政府の福祉部や企業、協会と定期的に対策を検討していく。

 人体由来の幹細胞培養液は許容の方向へと進んでいる。同原料を化粧品原料で使用するための安全基準を年内に用意し、産業の育成と消費者保護を促進する。しかし、政府の立場としてはEUと同じく、化粧品原料での使用は禁止としている。

 化粧品の新素材と新技術への投資と研究開発に関する関連政策も活発に推進される。政府はR&D支援規模を拡大し、消費者に対する化粧品安全情報の提供を強化することにした。特に、漢方・天然素材の高機能性化粧品の開発を促進。企業のR&D投資を活性化するために、マッチング方式(政府・大企業 100%、中小企業 50%)の政府支援規模を、60億ウォンから2011年には100億ウォン水準まで拡大する方向だという。多様なR&Dの専門性・創意性を向上させるべく、政府は年内に企業や学界が参加するグローバルコスメティック研究開発事業団を発足する予定。また、消費者からの不満が多く、輸入依存度が高い製品(ポンプ、ブラシ、容器等)に対し、特にR&D支援を積極的に行っていく。消費者および企業に対し、原料などの必要な安全性情報を提供するため、政府は安全性研究事業を拡大推進する。

 国内化粧品産業のグローバル産業化サポート政策も推進される。政府は化粧品企業のグローバル化を目指し、企業が共同で活用できる産業基盤インフラも多様に構築するという。福祉部は、中小企業などが化粧品の品質管理施設をISO-GMP水準で早期改善できるよう、2011年から施設改善政策資金融資の拡大方案を検討中である。また、全国に散在した化粧品品質検査委託機関の情報を化粧品産業総合支援センターに構築して企業に提供する等の活用を支援する。中長期的には、国家や人種によって異なる肌情報などを化粧品産業総合支援センターに集め、将来的な化粧品開発に活用するという戦略もある。それと同時に、GMPの義務化に備え、企業の化粧品の品質管理を行うための人材に対する教育支援を産学協同で行う。

 保健福祉部の保健産業政策のキム・ジュヨン書記官は次のように述べている:
5月26日に大統領が主宰した危機管理対策会議で、現在世界12位である韓国の化粧品産業規模を、2013年には10位に引き上げるという内容の政策目標を含む化粧品産業政策支援方案を定めた。現在、国会に提出中の化粧品法の早期改訂にも力を入れ、政府としても国内化粧品産業のグローバル化を積極的に支援する。化粧品産業の輸出戦略産業化がスムーズに推進された場合、2013年、輸出量が現在の7%台から14%まで増加。輸出額が1兆ウォン台になった場合、約8万4,000人の雇用が創出されることを期待する。

参考URL: 週刊コスメティック 2010.6.7
http://www.geniepark.co.kr/design/weeklycoz/weekly_read.asp?code=f&idx=22915&pcode=0405&mcode=0404&menuseqnum=23