【韓国】 注目集める化粧品市場に新規参入ラッシュ

生活家電、飲食品、アパレル関連業者も次々に参入
既存の顧客層と流通網を活用し、市場で優位に

 新しい収益源を模索する各企業の激しい競争により、既存の事業領域から抜けて新規事業を始める企業が増えている。飲食、生活家電、アパレル業界など、多業種の企業が化粧品事業への進出を始めている 。

 現在、中国市場での化粧品事業で成功したウングジンコウェイ社が、そのノウハウをもとに韓国に進出するということで業界に緊張が走っている。同社は、2010年9月に新ブランドを発表する予定だという。

 1996年に化粧品事業を始めたチョンホナイス社は販売戦略を変更。2009年8月に「ナイスフィ」という一般向け製品を発表し、本格的に市場へ参入した。

 スチーム洗浄機で有名なハン・キョンヒ生活科学社は、主婦からのブランド認知度を基盤に系列のHケア社を設立し、化粧品業界に参入した。「オエン」は国内外で人気のあるブランドである。日本・ベトナム・インドネシア・台湾をはじめとする東アジア地域のホームショッピングチャンネルへも登場。ベトナムにはブランド店舗を設置する等、アジア市場でも大きな成果をあげている。

 ヘアドライヤーなどの美容機器を製造販売するユニックス電子社も流通新規法人であるユニックスビューティー社を旗揚げし、メーキャップ化粧品などの製品を増やす方針を明らかにした。

 飲食品メーカーのMaeil乳業も化粧品事業に進出。同社は子会社のゼロトセブンを通じて乳児用化粧品市場に力を入れている。高級漢方から生まれた赤ん坊用スキンケア化粧品によりブランド認知度を高めつつある。

 4年間の研究開発の後、2007年に自然派スキンケアブランド「グリーンフィンガー」で化粧品市場に参入したユハンキンバリー社。発売から2年経った今では、ベビー&キッズスキンケア市場のトップブランドとなった。現在は、女性用ブランドの「メイブリズ」でも市場を広げようとしている。

 これら企業の化粧品業界新規参入では、既存顧客層と流通網が重なっているという現状がある。既存顧客が女性に偏っており、製品の流通においてもホームショッピングや訪問販売といった接点が多い。

 もちろん既存顧客層と合致していないにも関わらず、化粧品市場に参入するケースもある。具体例としては、ポストイットやスコッチテープで有名なスリーエム社が2009年7月に発表した肌トラブル用化粧品「ネクスケア」。ネクスケアはスリーエム社の健康美容ブランドで、現在は風呂用品と防水バンド等の製品が主である。化粧品を販売するのは、韓国スリーエムが初めて。同社は韓国市場でテストした後に海外市場へ進出する計画だ。韓国をテスト市場として選んだ理由は、消費者たちの新製品に対する反応と評価が早く、正確なためだという。

参考記事URL:Cosmetic mania news 2010.4.29
http://www.cmn.co.kr/common/gisa_view.php?honame=575&idxno=15799&section_no=N01&section_no2=N05&page=1&keyfield=&key=