【韓国】食品医薬品安全庁は、抗体同等生物医薬品の品目許可

関節炎治療薬 “レミケード注(Remicade Injection)”、バイオシミラーを世界初の承認 –
 世界的に急成長している同等生物医薬品(バイオシミラー)分野で、韓国国内で開発された同等生物医薬品が初めて許可された。

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、セルトリオン(Celltrion)が開発した変形性関節症の治療剤であるレミーケイドと同等の生物学的製剤(バイオシミラー)を韓国国内で初めて許可したと発表した。
特に、今回の許可された同等生物医薬品は、抗体同等生物医薬品としては、世界初めてである。
– EUや日本で許可された既存の同等生物医薬品は、成長ホルモンなどの分子量が小さい第1世代のバイオ医薬品であるのに比べて、抗体医薬品は、分子量が大きく、構造が複雑なため、同等生物医薬品の開発と評価が難しい第2世代バイオ医薬品という側面で意義がある。
※同等生物医薬品:既に品目許可を受けたバイオ医薬品と品質、非臨床、臨床試験で同等性を立証した医薬品

 KFDAは、今回の許可された品目であるセルトリオンの “レムシマ(注)”は、多国籍製薬会社であるヤンセンの “レミケード注”を対照薬(オリジナル薬)として開発された同等の生物医薬品と説明した。
レムシマ注は対照薬のレミケード注との比較試験を通じ、品質、非臨床及び多国家1相と第3相臨床試験で同等性を立証した。
– 臨床試験の場合、1相は強直性脊椎炎患者を対象に10カ国250人、3相はリウマチ関節炎患者を対象に19カ国606人から多国籍臨床を行った。
– 安全性は、既知の対照薬の有害事例と変わらず、有効性は統計学的に同等であることを証明した。
レムシマ注は対照薬の効能•効果の中で、小児クローン病を除くリウマチ性関節炎、強直性脊椎炎などの効能•効果を認められた。

 同等生物医薬品は高価のバイオ医薬品を低価格でも、患者が使用できるようにするために、2006年にEUで初めて同等生物医薬品の許可制度を導入し、成長ホルモン同等生物医薬品を初めて許可した。
韓国も安全性と有効性が検証された同等生物医薬品の許可のために、WHOとの国際調和されたバイオシミラーガイドラインを作成し、’07年から準備作業を経て、’09年に許可制度を設けて、国際レベルに適合するガイドラインを制定し、具体的な審査基準を提示してきている。
– 現在、国内では7つの製薬会社が6つの成分で8つの同等生物医薬品の臨床試験を進めている。
参考までに今回の許可されているレムシマ注の対照薬であるレミケード注の市場規模は、’09年基準で6兆7千億円超に達する。

2012.7.23 KFDA
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=18263