【韓国】国際レベルの医薬品安全管理を目指して

 2011年、韓国の食品医薬品安全庁(KFDA)は医薬品安全管理政策推進方策として、新しい医薬品許可および管理体系の構築、先進国と同様の医薬品安全管理システム作り、消費者および企業への積極的な情報提供、医薬品開発支援および競争力支援体系の構築を進めていく。

 新医薬品の許可および管理体系構築を目指し、社会的な要求の高い希少疾病の治療薬、小児用医薬品、抗がん剤などの早期開発と販売を支援する。それと同時に、安全性と有効性が著しく改善された医薬品に対しては、品目許可の前に希少医薬品として指定することで許可審査要件を緩和。臨床試験済みの小児用医薬品と進行性のがん治療薬に対する優先審査など、インセンティブを制度化する計画である。

 専門医薬品の積極的なサポートとともに、一般医薬品の開発および発売開始を促進するため、風邪薬、解熱剤、痛み止めなどに対する別途の許可審査基準が作成される。

 先進国と同様の医薬品安全管理システムを構築するため、毎年増加する医薬品による副作用情報および海外安全情報に対して自主的に収集・評価・措置する体制も推進する。米FDAや欧州EMAなどが運営する医薬品危害性緩和戦略(REMS : Risk Evaluation & Mitigration Strategy)を韓国国内に導入することで、許可審査段階で予測される医薬品使用被害に対して企業が事前管理計画を提出、KFDAが検討して承認する手続きを行うことで、事前に医薬品の副作用を予防することを目指す。

また、韓国国内の医薬品に対する市販後の副作用情報を収集・分析・評価するための専門機関「医薬品安全情報管理院」を設立し、地域薬物監視センターも増やすなど、副作用管理のインフラを拡大する計画する予定である。また、消費者に医薬品安全情報を提供する 「オンライン医薬図書館」を開設し、医薬品の使用上の注意事項、用量用法といった情報を携帯端末やインターネットで提供する。

参考URL: 2011.1.5 KFDAニュース
http://kfda.korea.kr/gonews/branch.do?act=detailView&dataId=155712304&sectionId=p_sec_1&type=news&currPage=1&flComment=1&flReply=0