【韓国】KFDA、酒類の有害物質低減を推進

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、酒類の有害物質であるカルバミン酸エチル(EC)の低減を目指し、製造現場で活用するマニュアルの出版や、企業向けの教育と技術サポートを行なう。ECの低減化レベルに応じて、基準の設定可否を検討する予定であることを明らかにした。カルバミン酸エチルは、アルコール飲料を長期間発酵、保管した際に発生するシアン化合物とエタノールが結合した有害物質である。
※現在、カナダ、チェコ共和国では、基準を設定して管理しているが、codex、ヨーロッパ、アメリカなどの基準の設定よりも先に自律的に低減化するように誘導している。

 KFDAは、EC低減化対策の一環として、製造工程別「酒類におけるカルバミン酸エチル低減化マニュアル」を制作し配布することとした。マニュアルの主な内容は、韓国国内の酒類製造業の特性にあわせてECの生成を抑制する製造工程と方法。ECの低減化が必要とされるアルコール飲料(ワイン、梅酒等)について、原料の生産から流通まで、各段階における低減化のポイントを提示。具体的には、熟成と貯蔵時に低温で保管し、光への露出を最小限にする等の製造方法改善についても提案している。

 また、EC低減化の模範企業に対しては継続的な教育を提供し、それぞれに応じた技術支援を通じて積極的に低減化事業を推進する。教育については、低減化が必要な酒種を生産する企業を対象に、低減方法の教育を実施。個別の技術サポートは、企業と共同で現場の専門家による事例、教育、生産現場の技術サポートにより低減化を推進する予定である。
※示範メーカー:酒類別(ワイン、梅酒、ボクブンジャジュ)メーカーの3~5カ所
※テスト運営を含まないメーカー:優先的にマニュアルを通じた自主的低減化の推進誘導

 KFDAは、今回のマニュアルをもとに酒類のEC低減化のため、メーカーの自主管理を誘導。酒類の品質向上の確保に寄与し、酒類の有害物質の安全管理に万全を尽くすと述べた。

2011.5.4 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=1&seq=14995&cmd=v