【韓国】2011年のバイオ医薬品の主な成果と2012年の展望

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、韓国国内の成長動力として注目されるバイオ医薬品の韓国国内開発の現状と世界の動向などに関連して、2011年の成果と2012年の政策の方向性を発表すると明らかにした。
KFDAは、将来の環境変化の部分に積極的に対処し、安全管理システムを先進化して、バイオ医薬品の世界的な競争力確保のために努力したと発表した。2011年度の合理的な規制のために製剤の特性を反映して、許可が必要ない時に不必要な資料の提出を免除し、より徹底した安全管理のために制度を整備した。

2011年のバイオ医薬品の主な成果

<政策推進について>
―バイオ医薬品の安全管理基盤を強化
・より詳細なワクチンの安全管理のために、既存の韓国国家検定制度を韓国国家出荷承認制度へ改善し、すべてのワクチン製品だけでなく、半製品、原料までの全段階を管理するように強化した。
・バイオ医薬品の海外製造会社の現地実態調査制度を導入し、品質と安全管理を強化している。

―バイオ医薬品の承認審査基準の再編成を通じ製品産業を支援
・自己由来細胞治療の場合、研究者、臨床の実用化の進入が可能にして、組織タイピングデータを免除するように審査基準を変更した。
・改良バイオ医薬品(バイオベター)の定義及び審査要件を新設することで、許可承認の基盤を作った。

―バイオ医薬品の国際的な信頼性向上を講じる
・バイオ医薬品分野でのWHO(世界保健機関)協力センターの指定と共にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)内のバイオ医薬品承認審査の分野でリーダーとして認められ、国家間の調和のための中長期計画の策定に乗り出している。
・また、韓国国内外の学者13人で構成された”先端バイオ新薬の特別諮問委員会”を発足し、バイオ医薬品の承認審査に関する諮問審査を常に受けられるシステムを構築した。

<主な成果>
―世界初、幹細胞治療の許可
・2011年7月、世界初の幹細胞治療剤である”Hearticellgeram- AMI”(急性心筋梗塞の治療薬、FCB pharmicell )が商用化された。

―バイオ医薬品の臨床試験の許可が急増
・バイオ医薬品の臨床試験の承認は、年平均(’07〜’10年)20.5%程度増加する傾向にあり、その中でも、遺伝子組換え医薬品の成長率(41.5%)が最も目立つ
・また、多国籍臨床試験の年平均成長率(43.33%)が韓国国内の臨床試験の成長率(3.8%)に比べてはるかに高い面を示した。

―全体の医薬品のうち、バイオ医薬品分野が急成長
・バイオ医薬品の生産実績の年平均成長率(’07〜’10年)は22.6%で同じ期間に比べ医薬品の年平均成長率8.62%よりもはるかに高い傾向を見せている。
・また、全体医薬品の生産実績のうち、バイオ医薬品が占める割合は07年6.54%から’10年の9.33%と順調に上昇を続けている。

2012年のバイオ医薬品の見通し

<政策の推進方向>
―承認審査システムの先進化を通じた完全予防
・製品開発から市販後安全管理まで、全周期に渡ってプロジェクト管理を専門に担当するようにする”プロジェクトマネジャー(PM)”制度を導入し、プロジェクト管理の革新を図ろうする。
・臨床試験の承認と品目許可前に”事前検討制度”を実施し、今後の研究開発の不確実性を解消して商品開発を促進する計画である。

―バイオ医薬品の承認審査の一貫性・透明性の向上
・2011年度に引き続き、細胞および遺伝子治療剤承認審査制度と基準を整備し、開発可能性が高い品目の規格を見つけてKPに追加収載し、標準化されたバイオシミラーの審査基準を設けていく方針である。
・開発・設計段階から最終的な承認段階まで、カスタマイズされた段階別の技術支援のための協議体を運営(継続)

―安全管理システムの構築による迅速な対応
・韓国の”国家出荷承認”制度の施行に伴う品質保証システムを本格的に可視化し、製薬会社などを対象に、出荷の承認手順や方法などの広報、教育を実施し、人体組織バンク、バイオ医薬品などの海外メーカーの現地実地調査もより一層拡大していく計画。

―バイオ医薬品の先進的な規制機関としての地位向上
・バイオ医薬品の世界市場を先占し、韓国国内バイオ医薬品の海外進出をサポートするために、先進国および開発途上国などの規制当局者を招き、韓国国内バイオ医薬品の卓越性と許可の審査基準を持続的に広報する計画。
・WHO(世界保健機関)など国際機関や諸外国のバイオ医薬品関連の規制当局との協力体制をさらに強固にし、ゾーンを広げるという方針だ。

<今後のバイオ医薬品の見通し>
―バイオ医薬品の世界市場規模は継続的に拡大し、’08年69兆ウォンから、’13年116兆ウォンに増加すると見込まれ、韓国国内市場規模も10年約3.5兆ウォンから、’15年には14兆ウォンに達すると予想される。
・生産実績の年平均増加率は、バイオ医薬品は22.26%(’07〜’10年)で、医薬品の同じ期間の8.62%よりも高い。
・上の増加傾向から見ると、2015年度には、バイオ医薬品市場は、医薬品生産市場の17%に迫ると予測される。
・韓国国内のバイオ医薬品の輸出1位(5年連続)の項目は、”Quinvaxem注”であり、抗毒素等の輸出実績は年平均成長率が105%で、明らかな成長を見せており、古典的な生物学的製剤の輸出増大に大きな役割を果たしているとみられる。

―バイオ医薬品の臨床試験の急増傾向は継続
・臨床試験の承認件数の年平均増加率は20.5%で、特に多国籍臨床試験の増加率(43.33%)が目立っている。
・現在の増加傾向を見たら、2012年度の臨床試験の承認件数は132件で、2012年からは臨床試験が100件以上承認されると予測

―幹細胞治療剤などの先端バイオ医薬品の許可の可能性
・現在までに、バイオシミラー11件の臨床試験が承認され、このうち2件の第3相臨床試験が承認され進んでいる。

KFDAは、安全性と合理的な規制をもとにしたバイオ医薬品の管理を通じ、今後、韓国国内のバイオ医薬品産業の分野が大きく活性化されると期待し、世界のバイオ医薬品市場の先占と先進的な規制機関としての地位の向上に努めていくと明らかにした。

2011. 12.15 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=16629