【韓国】2012年下半期の食・医薬品安全政策

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、韓国国民が安心できる安全な食品の提供、本格的なFTA時代を迎え、医薬品分野の国際競争力を高めるための2012年下半期食•医薬品の主要な政策を発表した。

 今年の下半期から変わる主な政策としては、▲優秀衛生管理基準と検査命令制度の導入▲臨床試験の実施機関等の指定制度の導入や原料血漿の安全管理の強化▲化粧品の広告実証制度などである。

 食品分野では優れた衛生管理基準と検査命令制度など新たな制度が導入される。
12月から食品メーカーの新規営業報告要件が届出制から登録制に変更され、先進国レベルの優れた衛生管理基準(GHP)を導入する予定だ。
※優秀衛生管理基準(Good Hygiene Practice):食品を衛生的に製造するために、基本的に守らなければなら施設の基準、衛生管理の手順等に関する基準として、(’13)20%→(’14)50%→(’15 )100%まで適用する計画
韓国国内に輸入または流通される食品の中で、不適合率が高かったり、危害発生のおそれが提起された食品に関して、営業者が事前に検査実施して安全性を事前に確保するようにする検査命令制が施行される。また、乳・幼児層の健康保護のため、7月からは、ビスフェノールAが使用された哺乳瓶の製造と輸入が全面禁止される。
※ビスフェノールA(BPA):ポリカーボネート(PC)またはポルリアリルソルポン(PASF)の製造に使用されていて、内分泌系の障害を引き起こす可能性がある原料物質
また、韓国国民の健康的な食生活の環境づくりのために、子供のための衛生と栄養管理支援事業が拡大される予定だ。
※お子様の供給管理のサポートセンター:(12年6月基準)19箇所→(12年)22箇所

 医薬品分野では、臨床試験•生物学的同等性試験•非臨床試験の実施機関と品質検査機関の指定制度などが新たに導入される。試験を実施し、品質検査機関の指定と事後管理のために検査機関の指定制度が導入され、そのための指定手続及び実施基準等の詳細や基準が用意される。原料血漿の安全管理強化のために、血漿分画製剤に使用される原料血漿の管理対象を、現行の輸入原料血漿から、韓国国内および輸入原料血漿に拡大する予定だ。また、麻薬原料物質の不法麻薬製造専用防止のために麻薬原料物質取扱者(輸出入、製造業者)の許可制度が導入される。
※麻薬原料物質:麻薬や向精神薬の製造に必要な化学物質(例:アセトン、無水酢酸、過マンガン酸カリウムなどの “麻薬類管理に関する法律施行令”で定めた物質)

 医療機器の分野では、産業の競争力を促進する積極的安全管理のための医療機器承認審査情報公開の拡大などが実施される。医療機器承認•審査情報公開レベルを、従来の審査•サマリー形式から、企業の技術的なノウハウを除く許可申告情報に拡大して実施することになる。医療機器英文証明書を申請者がすぐに出力できるように、電子請願システムが改善される。医療機器の製造及び輸入別GMP審査情報がオンラインを介してリアルタイムで公開される。

 化粧品の分野では、昨年8月、 “化粧品法”の改正で導入された “化粧品•表示広告の実証制度”は、今年下半期に関連告示制定後に本格的に施行される予定だ。 “化粧品•表示広告の実証制度 “は、化粧品営業者自ら本人が表示•広告することについては、客観的で適切なデータを備え、証明する制度で、消費者に事実と異なる情報を提供したり、欺瞞する行為を防止するために導入された。
※表示広告実証制度:昨年8月4日 “化粧品法”全面改正に伴い、導入された制度であり、化粧品製造業者、製造販売業者または販売業者は、試験や調査結果など科学的方法を使って自分が表示した広告の内容を実証する必要がある
併せて、漢方薬の場合、6月GMPの導入が義務化され、下半期からは、 “漢方薬の製造および品質管理基準”に基づいて製造された漢方薬材のみ市中に流通することができる。
※漢方薬GMP制度: “薬事法施行規則”の改正(12年6月15日)に応じて、漢方薬の製造の際には “漢方薬の製造および品質管理基準”を適用して製造、許可されたものだけが販売可能(6月15日前まで、既存の規定に基づいて許可(届出)された漢方薬は、15年から義務の適用)

2012.7.2 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=1&seq=18136&cmd=v