【韓国】国内製造インプラント、市場全体の83%

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、韓国の歯科用インプラントの国内製造規模が輸入量を大幅に上回り、輸入代替效果が非常に高くなっていると発表した。これは、人口高齢化により国内の歯科用インプラント市場規模が徐々に拡大したことによる、国内製造業者の活発な新製品の開発及び品質と技術の発展が国内製品に対する信頼度を向上させたことが原因であると分析される。
 
※歯科用インプラントとは患者の咀しゃく機能回復のために使用する人工歯のような補てつ物を支えるために挿入するインプラント。上部構造物(アボットモント, Abutment)と下部構造物(固定体, Fixture)等に分けられる。
※歯科用インプラントは、金属(チタンあるいはチタン合金) 材質が多く使用されており、その他、上部構造物にセラミックス(ジルコニウム)も使用され、現在は骨の融合率を高めるために生体活性物質等で表面処理をしたり、薄利抵抗性の大きい表面処理技術等をも開発中である。

 過去5年間(05~09年)における 歯科用インプラントの国内製造(輸出額を除く)及び輸入を分析した結果、国内市場規模は年平均26.6%の成長を見せた。
※歯科用インプラント成長率:06年 71.1%、07年 36.9%、08年 12.3%、09年 -13.9%

 国内製造(輸出額除外)は05年の463億ウォンから、09年には1,791億ウォンと約 3.8倍増加。輸入と比較すると、約5倍以上(09年)の数値である。その一方で、歯科用インプラントの輸出は05年には2.2億ウォンだったが、09年には429億ウォンまで大幅に増加。09年には、輸出量が輸入量を追い越し、医療機器貿易収支の改善に寄与した。 また、最近の国内製造力量の成長により、輸出を含む国内製造規模(09年で約2,220億ウォン)はさらに大きい。

 また, 品目許可数を分析した結果、06年から製造は輸入を常に上回り、09年には輸入56件と比較し、製造は101件と国内製造技術が大きく発展したことが分かる。
※歯科用インプラントの業者数(許可品目数)は、2010年現在で国内製造40個(396個)、輸入48個(289個)

 KFDAは、国内歯科用インプラント評価指針で(表面特性、組職反応評価技法)及び解説書(性能及び安全性評価、滅菌及び包装の有效性評価)を発刊。国際水準の品質、安全性及び有效性確保のために努力しており、今後の新開発歯科用インプラントの早期許可進入を支援する許可サポート制度も積極的に活用する計画である。

参考URL: 2010.10.26 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=13412